バレンタインなのでラインシミュレーターでチョコを大量生産したい

チョコレート製造ラインシミュレーター

ということで今回はチョコレート製造ラインのモデルを見ながら、
シミュレーターについて解説・紹介するブログです。

モデル制作に使用したのは、
工場・物流センター向け3Dシミュレーター「Emulate3D」。

Emulate3Dは、産業オートメーションシステムの設計・レイアウト、改善および実装のための強力なエンジニアリングソフトです 。高品質なプレゼンテーションの作成、正確な運用分析、制御システムの検証など様々な用途で用いることができます。

全体図

こちらがラインの全体の様子です。


このように、主に8つの工程でチョコレートが出荷されるまでの様子が再現されています。
注目ポイントが3つあるので、それぞれご紹介します。

充填 ~タンクシミュレーション~

まずは充填工程で使うこちらのチョコレートタンクから。
このタンクからチョコレートが型に注がれるわけですが、
タンクに入った液体が減っていく様子の表現には
「Tanks And Pipes」というタンクシミュレーションの機能が使われています。


この機能では液体の水圧・水量や液体の混合率もシミュレーションできます。

「Tanks And Pipes」についてさらに詳しく知りたい方はぜひ下記動画もご覧ください。
(YouTubeに遷移します)
Emulate3D Tank&Pipe
Emulate3D – Tank and Pipe – Mixing, Pipe line, liquid filling

型抜 ~物理現象の再現~


そうして流したチョコレートを冷やし固めた後は、型からチョコレートを外す型抜の工程が入ります。
ローラーで型を揺らしながら運ぶことで、振動でチョコレートを型から外れやすくします。

この型が揺れる挙動はEmulate3Dの物理演算により表現できています。

下記の画像のようにローラーのプロパティを設定すると、
ローラーの円柱に沿った動きをするようになります。

包装 ~Black Box~

最後に、このモデルの大半に使われているBlackBoxについてご紹介します。
BlackBoxとは、複雑なモデリング作業のプロセスを抽象化することが可能であり、
エンジニアリング工数を大幅に削減できる便利な機能です。

例えば、下記の包装工程では包装機器の3DCADモデルを作らなくとも、
BlackBoxを活用することでシミュレーション結果を素早く出すことができます。

包装工程の様子

こちらが今回使用するSimpleTransformコンポーネントです。
SimpleTransformコンポーネントはBlackBoxに含まれるコンポーネントの1つで、
物体の変形工程を抽象化することができます。
主に加工機や梱包機等を抽象化する時に用いられることが多いです。

この赤い矢印のようにSimpleTransformコンポーネントと包装機器を線で結びます。

このように接続できたら、
まず包装機器にチョコレートが入った時に包装チョコレートが出力されるように設定します。
SimpleTransformコンポーネントの赤い立方体(BlackBoxLoadCreator)から
出力される物体の見た目や設定を変更できます。

次に、プロパティの設定を変更します。変更する項目は大きく2つです。
1つ目に包装前のチョコレートと包装済みチョコレートの入力数・出力数を設定します。

今回は包装前チョコレートが1つ包装機器に入ると、
包装済みチョコレートが1つ出てくるように設定しました。

2つ目に、処理時間を設定します。

包装前のチョコレートが入ってから3秒経つと包装済みチョコレートが出てくるように設定。
ちなみに数字をバラバラにすると範囲内のランダムな秒数で出すこともできます。

これで包装機器のBlackBox設定は完了です。
このように複雑な操作無しで、簡単に設定することができます。

チョコレート製造ラインモデルを通して、Emulate3Dの魅力は伝わりましたでしょうか?
製造ライン以外にも、Emulate3Dでは様々なシミュレーションモデルを作ることができます。
この記事を読んでご興味を持っていただけたら、
ぜひ下記の「Emulate3D」紹介ページもご覧いただけますと幸いです。

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