流通加工の種類とメリット、課題について簡単に解説します
皆さんこんにちは。ITAGEの中村です。
今回は物流センターの役割の一つである「流通加工」について書いていきたいと思います。
流通加工とは?
流通加工とは、倉庫や物流センター、店舗などで商品に付加価値をつける加工作業のことです。物流センターの主な役割のひとつです。
物流センターの機能と種類について詳しく知りたい方はこちらご覧ください。
物流センターとは?機能と種類について
JIS規格ではこのように定義されています。
流通過程の倉庫、物流センター、店舗などで商品に加工すること。生鮮食品又は繊維品の二次加工,小分け商品化包装,値札付け,鉄鋼・ガラスなど生産財の裁断,注文に対応する機器の組立て・組替えと塗装替えなどをいう。
流通加工の種類
「流通加工」を大きく分けると2種類あります。直接商品の加工を行う「生産加工」と販促活動を促進するための加工を行う「販促加工」です。
生産加工
・材料の加工
・商品の組み立て
・梱包
・丁合い
・食品の切り分け・パック詰め
※丁合い(ちょうあい)…複数の書類や雑誌をひとつにまとめることや、折丁をページ順にまとめて一冊の本に製本すること。
販促加工
・値札・ラベル張り
・ラッピング
・検品
・ハンガー掛け
・セット組
流通加工のメリット
流通加工のメリットは顧客の利便性と信頼の向上、販売店の作業負担の減少です。
例えば、クリスマスや誕生日のプレゼントをインターネットで購入するとします。ラッピングができない商品を頼んだ場合、購入者自身で作業を行わなければなりません。
そのためラッピングできない商品よりも、ラッピング有無が選択肢できる商品を選ぶ方が多いのではないでしょうか。顧客満足度が向上してさらに商品が売れるようになるかもしれません。これが顧客の利便性向上です。
また、顧客からの信頼性の向上は主に検品作業が活躍します。例えば、針が混入していないかを確認する検針を行い、「検針済み」シールを貼ることで顧客に安全・安心のイメージを付けることが可能です。
次に、販売店の作業負担の減少は福袋を販売する服屋さんを例に挙げて考えます。 流通加工をしなかった場合、店舗でひとつずつ袋に詰めていく必要があります。
店舗では在庫出しやレジ、接客業務など、詰める時間を確保するのはとても大変です。そこで物流センターの流通加工が活躍します。
店舗に配送する前に福袋を作ってしまいます。すると店舗では届いたらすぐに販売ができるため、作業負担が減少するという仕組みです。
物流加工にはコストがかかる?
先ほどご紹介したメリットがあるので、EC市場が拡大する中で流通加工の需要が高まっています。その一方で、課題もあるのでご紹介していきます。
まずは人手を多く必要とすることです。流通加工の種類は企業によって様々であり、さらに商品の入れ替えや季節、イベントなど顧客のニーズによって変化します。このように臨機応変に対応する必要があり、他の物流工程と比較して自動化が困難です。
また、スペースを確保する必要があることも課題のひとつです。加工するには多くの梱包資材を置くためや作業するためのスペースを確保しなければなりません。スペースを確保できなかった場合、作業が非効率となります。また、他作業者同士がぶつかり思わぬ事故につながる可能性もあります。
このようにギフトセットにした方が売れるからと作業者負担やスペース、時間のことを考えずに進めてしまうと結果的にコストがかさむ可能性があります。流通加工をアウトソーシングしてコスト削減を図っている企業も多くあります。
Emulate3Dで物流コストを削減
流通加工だけでなく物流センター全体のコストを削減したいという方には、物流業・製造業向けシミュレーションソフト Emulate3Dをおすすめします。
Emulate3Dは、WMS(倉庫管理システム)やWCS(倉庫制御システム)などの外部システムと連携することができます。Emulate3Dを使うことでソフトウェア内での現場の再現、検証、外部システムとの接続、全てを行うことができます。
物流センター内のボトルネックを発見して改善することに繋がるため、業務の効率化を実現します。詳しい説明は、下のボタンをクリックしてご覧ください。
最後に
流通加工には様々な種類があり、顧客満足度や信頼性の向上、販売店の作業負担の減少のために行っている大切な工程だということがお分かりいただけたでしょうか。
新型コロナウイルスの流行によりECの需要が増々高まっています。作業者の負担が少なく顧客が届いて嬉しい商品が増えるといいですね。
ご興味・ご関心がありましたら是非お気軽にお問い合わせください。