3PL、4PL、5PL、LLP話題の物流サービスのそれぞれの違いをまとめてご紹介します

「3PL」という言葉は物流業界においてよく耳にします。そんな中「4PL」、「LLP」といった似たような言葉も昨今見かけるようになりました。

3PLを含めそれぞれどういったものなのでしょうか。

ロジスティクスとは

3PL、LLPなどの『L』は「Logistics」の頭文字です。
ですから、まず初めにロジスティクスの意味について触れておきます。

ロジスティクスという言葉はJIS(日本産業規格)によって定義されています。

ロジスティクスとは,物流の諸機能を高度化し,調達,生産,販売,回収などの分野を統合して,需要と供給との適正化を図るとともに顧客満足を向上させ,併せて環境保全,安全対策などをはじめとした社会的課題への対応を目指す戦略的な経営管理

JIS Z 0111

戦後、アメリカのモノの流れを参考に発達してきた「物流」を更に高度化し、効率性だけでなく、需給のバランスや顧客満足、環境への影響など当事者以外の便益を意識した流通の経営管理をロジスティクスと呼びます。

今回ご紹介するワードはこのロジスティクスという概念を念頭に置いたものです。

「物流」という言葉を詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!

3PLとは

3PLは「サードパーティーロジスティクス(Third Party Logistics)」の略です。
和訳すると「第三者によるロジスティクス」になります。

こちらもJISによってその意味が定義されています。

サードパーティロジスティクスとは,荷主企業でも物流事業者でもない第三者が荷主のロジスティクスを代行するサービス。倉庫,車両などの施設・設備がなくても事業化できる運営ノウハウをもとに,情報システムと業務改革の提案を中心に長期的な管理目標を定め,達成した改善利益の配分を受けるものであるが,物流事業者が荷主企業のアウトソーシングニーズに広範に対応して一括受注するケースも含まれる

JIS Z 0111

荷主が自ら(1st)ロジスティクスを行う訳でなく、運送会社や倉庫会社等(2nd)にロジスティクスを委託するわけでもなく、第三者が荷主企業に代わって、物流戦略や物流システムの構築などを提案し、荷主企業のロジスティクスの最適化を包括的に請け負う業態が3PLです。
ざっくり説明すると物流業務を一括代行、アウトソーシングできるということです。

アセット型・ノンアセット型

一括代行してくれるとなると巨大企業のみが提供し得る業態なのかなと思います。
実際はそういうわけでなく、3PLは自社で倉庫や輸送手段などを所有しているアセット型とそういった資産を所有しないノンアセット型に大別できます。

前者は人も施設もすべて自前であるため、荷主とのコミュニケーションがスムーズになるほか、サービスの向上を図ることも比較的容易といえます。
後者はノウハウを用いた戦略考案などは自ら行いつつ、人や施設は外注となります。この為荷主企業の規模や要望に応じて多彩なサービスの提供が可能といえます。

3PL アセット型 ノンアセット型 違い

4PLとは

4PLは「フォースパーティーロジスティクス(Fourth Party Logistics)」の略です。
先ほどと同様の考え方で訳すると「第四者によるロジスティクス」ですが…?

4PL とは

「4PL」という言葉に統一の定義はまだありません。
大きく2つの定義があるようです。
3PLの進化した姿なので+1している、といった認識を持たれると良いかと思います。

一つ目の定義

3PLで実施するロジスティクス戦略に加え、企画や推進などより抽象的な業務にも踏み込むサービスを提供することを4PLとする、
他業種であればコンサルタントが行うような役割までもを3PLに加えて提供することが「4PL」であるとする主張です。

どちらかというとこちらの定義が用いられることが多いように思います。

二つ目の定義

自社の3PLのノウハウを別の物流企業に教えプロデュースすることを4PLとする場合もあります。

この場合は3PL事業者の後ろにそのプロデューサー(4PL事業者)が要るということなので第四者という表現がよりしっくりきます。

4PL 3PL とは 違い

LLPとは

LLPは「リードロジスティクスプロバイダー(Lead Logistics Provider)」の略です。

LLPとは3PLで提供されるロジスティクス戦略に加え、企画や計画立案などより高次の抽象的な業務までもを担う企業のことです。

おやおや…??
さっき見たような表現…

つまり4PLを提供している企業がLLPであり、殆ど同じものと言えます。

4PLやLLPは近頃物流のトレンドで散見されますが、新しい概念です。
新しい概念が形成され一般化する際には様々な過程があります。
現時点ではまだこの辺は曖昧といえるのではないでしょうか。

5PLとは

4PLが出た時点で何となく察するものですが、「5PL」なる言葉も既に現れ始めています。
5PLは「フィフスパーティーロジスティクス(Fifth Party Logistics)」の略…

……なのでしょうか…?

日本国内では5PLを持ち出す企業は少なく海外での登場が殆どです。
実はその海外企業による説明でも、最早何の略なのかにも言及されていません。

当然4PLで曖昧だった定義は更に混とんを極めます。
5PLは現時点では一般名詞というよりも各社のサービス名や構想といった面が強く、いくつかの例を紹介するにとどめます。

5PLは更にAIなど先端の技術を加えたもの

5PLは新たにeコマースを顧客としたロジスティクス戦略

5PLは更に生産拠点や店舗の戦略を含めたもの

5PLは更に生産拠点や店舗の戦略を含めたものであり、
更にAIによる自動制御を行う6PLが続く

…などなど

(6PLも出ちゃった…)

先述のように3PLより何らかの方向性でより凄い訳ですから3→4→5と増やしたくらいに理解していただくのがよろしいかと思います。

1PL 2PL 3PL 4PL 5PL 違い

まとめ

今回は何だか後半に進むにつれ加速度的に文章としての価値が落ちるブログでした。
とはいえ、4PLは勿論5PLの概念は次第に高度化していく消費者側のニーズやハード・ソフトの技術水準にそって今後必要とされるサービスでしょう。

もし貴方が3PLの提供者や利用者なのであればぜひ弊社のソリューションを一度ご覧ください。今回ご紹介した広域なサービスは展開しておりませんが、きっとお役に立てるサービスがございます。

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