マテハン?倉庫業?3PL??違いは???

物流センター 倉庫

皆さんこんにちは。株式会社ITAGEの田辺です。

今回は久しぶりにコラム味の強いブログを書きます。今後はもう少し更新できる予定ですのでお暇なときにご覧いただけると幸いです。

今回は社内の新人さんが違いが分からないといっていたので、株式会社ITAGEがソリューションを提供できる物流業界の各業種についてまとめていこうと思います。

倉庫業

倉庫業は倉庫業法(昭和31年6月1日、法律第121号)により定義が定められたれっきとした業種です。

倉庫業とは、寄託を受けた物品を倉庫において保管する事業であり、原料から製品、冷凍・冷蔵品や危険物に至るまで、国民生活・経済活動に欠かせない多種多様な物品を大量かつ安全に保管する役割を担っています。

国土交通省

生産と消費を結ぶ産業として国民生活の基盤を支える極めて公共性の高い産業

一般社団法人 日本倉庫協会

東証33業種に「24倉庫・運輸関連業」という分類もあります。

業務

基本的には他人の物品を預かる業務なのですが
倉庫のサービスとしての一例として 「検品」→「入庫」→「保管」→「出庫」→「ピッキング」→「流通加工」→「仕分け・荷揃え」→「出荷」 などがあります。

取引先

モノを貯めておく業務なので取引先としては幅広く、農業、鉱業(金属、原油など)や製造業(食品、繊維、機械など)、小売業(日用品、通信販売など)などなんでも当てはまるといえば当てはまります。

運輸業

旅客や貨物の運送にかかる業種、あるいは職業です。

『運輸業』という明確な定義はなく、総務省が公開している日本標準産業分類の中に『運輸業, 郵便業』がありその定義は

この大分類には,鉄道,自動車,船舶,航空機又はその他の運送用具による旅客,貨物 の運送業,倉庫業,運輸に附帯するサービス業を営む事業所並びに郵便物又は信書便物を 送達する事業所が分類される。

総務省

となっており、文中にあるように運輸業は運輸手段によって分類されます。また、倉庫業も同じ分類に存在します。

業務

運輸業には単に輸送する以外にも、保管業務、荷役業務(搬出・搬入・仕分け)、流通加工業務、物流にかかる情報処理業務、フォワーダー業務(荷主から貨物を預かり、他の業者の運送手段(船舶、航空、鉄道、貨物自動車など)を利用し運送を引き受ける業務)などがあります。

因みに「運輸」と「運送」に明確な区別はないようです。
トラックや船・航空機を使い長距離を運ぶことを「運輸」、トラックを中心とした陸路での配送を「運送」ぐらいのふんわりした区別の仕方だとか。

取引先

これもまたモノを運ぶ業務なので取引先が幅広いです。
重油をタンカーで運んだかと思いきやコンビニの商品をトラックで運んだり、個人の荷物を自転車で運んだり(宅配便)それはもう幅広いです。

物流業

そんな定義ないです。

『物流』という言葉の定義はありますが、『物流業』を明示的にするものはないようです。(というかあまり使われる表現でないまであります。)
但し物流の中核業種は『倉庫業』と『運輸業』であり、『物流業』とはそれら二つの業種を併せたものといって差し支えないのではないでしょうか。

物流

『 物流 』という言葉はJISで定義されています。

物資を供給者から需要者へ,時間的及び空間的に移動する過程の活動。一般的には,包装,輸送,保管,荷役,流通加工及びそれらに関連する情報の諸機能を総合的に管理する活動。 調達物流,生産物流,販売物流,回収物流(静脈物流),消費者物流など,対象領域を特定して呼ぶこともある。

JIS Z 0111 1001

そのまま「物の流れ」ということですね。
ですから生産者から保管先、保管先から消費者の物の流れを行う「運輸業」
保管先で配送先に送る準備を行う「倉庫業」
は勿論物流業界の業種といえるわけです。

3PL

サードパーティロジスティクス(3rd Party Logisitcs)の略であり、『物流』と同じくJIS Z 0111で定義されてます。

サードパーティロジスティクスとは,荷主企業でも物流事業者でもない第三者が荷主のロジスティクスを代行するサービス。倉庫,車両などの施設・設備がなくても事業化できる運営ノウハウをもとに,情報システムと業務改革の提案を中心に長期的な管理目標を定め,達成した改善利益の配分を受けるものであるが,物流事業者が荷主企業のアウトソーシングニーズに広範に対応して一括受注するケースも含まれる

JIS Z 0111 1002

「サードパーティ」とは第三者ですね。「ロジスティクス」とは詳しい話は他で書きたいなと思うのですが物流の機能を高度化させたものです。

つまり3PLとは前項の業種をより高度化したものであるといえます。

もっとも「3PL業」なんて言葉があるわけではなく物流業界にて活動を行う諸企業がサービスとして取り組んでいます。
敢えて分類するなら日本標準産業分類の『運輸業, 郵便業』-『運輸に附帯するサービス業』が近しいのではないでしょうか。

業務

荷主企業自らがロジスティクスをおこなうこと(ファーストパーティ)ではなく、
運送会社や倉庫会社等にロジスティクスを部分的に委託すること(セカンドパーティ)でもない、
第三者(サードパーティ)が荷主企業に代わって、最も効率的な物流戦略や物流システムの構築などを提案し、荷主企業のロジスティクス全体を包括的に請け負う業態

要は物流業務を一括代行、アウトソーシングできますよ

というのが3PLの業務になります。

アセット型・ノンアセット型

自社で倉庫や輸送手段などを所有しているアセット型、持っていないノンアセット型で3PLは大別できます。
前者は人も施設もすべて自前ですので、ドライバーへの教育や拠点の改善などを実現出来れば直接サービスの向上につながります。また荷主と一対一で話せるのも強みです。
後者はサービスがすべて外注であるため、「輸送はA社に依頼して倉庫はB社に提供してもらう」といった具合に、荷主企業の要望に応じた多彩なサービスの提供が可能です。

取引先

自社の製品、在庫(≒倉庫)の概念がある業種になってくるので製造業や小売業になります。

マテハンメーカー

上記までの会社とは毛色が全然違います。製造業です。

ただしマテハンメーカーの作るマテハン機器は物流業界で用いられます。
日本標準産業分類の『製造業』-『輸送用機械器具製造業』、『製造業』-『はん用機械器具製造業』が当てはまります。( 33業種だと『機械』 )

マテハン

マテリアルハンドリングの略。モノの移動に関わること全般を指します。
モノを効率的に移動させることを目的とする専用機械類(コンベヤとかフォークリフトとか自動倉庫とか)をマテハン機器と呼びます。

取引先

取引先は上述の物流業界や(ファーストパーティとしての)製造業や小売業になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
物流業界を取り巻く業種をざっとまとめてみました。
業界研究などに少しでもお役に立てれば幸いです。

マテハン 倉庫業 運輸業 3PL 違い

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