デジタルツインとは?工場の未来を予測してDXを推進
皆さんこんにちは、ITAGEの中村です。
今回は「デジタルツイン」について書いていきたいと思います。
デジタルツインは、2019年にアメリカの調査会社であるガートナー社がトレンドキーワードとして選出しました。2年前から注目されていて、すでに活用されている技術です。
デジタルツインとは?
デジタルツインとは、日本語で「デジタルの双子」と訳されます。現実空間にある機械や設備、工場、または都市など様々なものを仮想空間に再現することです。
現実空間と仮想空間で同じものができて双子のように見えるので、デジタルツインと言われています。主に製造業で活躍している技術です。
メリット
次はデジタルツインの技術を取り入れるメリットについて説明していきます。
「場所を確保することが困難である」 や 「コストがかかる」 ことを理由に現実では試すことができない作業も、仮想空間上であれば制限もなく自由にシミュレーションすることができます。
例えば、新製品を開発して試作品を製造するとします。試作品も、本来であれば実際の生産ラインを使って製造、検証したいと思います。しかし、そのような場所を確保することは難しく、実際の生産ラインを止めてしまうのはコストがかかります。
デジタルツインを活用すれば、実際の機械や設備の情報をもとに仮想空間上で検証することができます。仮想空間なので自由にレイアウトや機械の台数などを変更することが可能です。
また、IoTで情報を収集して仮想空間に反映させることにより、リアルタイムに現実空間を再現することができます。さらに5Gを利用することで、大容量のデータを超高速、超低遅延で送受信できるようになるため、リアルタイム性がさらに向上します。
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デジタルツインで現実に近い条件や状況を仮想空間上に再現することにより、高精度なシミュレーションができます。
故障を未然に防ぐ
デジタルツインで将来の予測をすることができます。
例えば、新しく機械を導入して稼働させたとします。その機械がいつ故障するのかという予測を立てることは難しいですよね。何年も故障と修理を繰り返して、やっと目安の期間が分かると思います。それでは時間も手間も多くかかってしまいます。
そこでデジタルツインを取り入れて、仮想空間上で機械を再現してシミュレーションします。するといつ、どのくらいの頻度で故障するのかなどを予測することができます。それを目安に現実世界では、先回りをしてメンテナンスを行うことが可能になるということです。
エラーの原因を素早く特定
メンテナンスを定期的に行っていたとしても、エラーは発生してしまいます。起こってしまったエラーは、二度と起こらないように対策することが大切です。そのため、原因を特定して分析する必要があります。しかし、原因の特定はとても時間がかかり、大変な作業だと思います。
そこでデジタルツインを活用し、仮想空間上にエラーが起こった際の状況を再現します。このように、状況を巻き戻して確認することで、原因を素早く特定することが可能です。
他にも、仮想空間で製品の試作段階における検証に活用できます。試作機を作成する手間や時間、コストを削減できます。
また、製品出荷後の検証にも活用できます。これにより、最適なタイミングで部品交換などの情報をお客様にお知らせすることができるので、アフターサービスの向上につながります。
デジタルツインを実現する
ここまでで、デジタルツインが製造業の業務改善をするには欠かせない技術であるということがお分かりいただけたかと思います。
しかし、何から始めたらよいのか分からないという方が多いのではないでしょうか。
ITAGEが販売している「Emulate3D」という3Dシミュレーションソフトウェアを導入することで、デジタルツインを実現することができます。
こちらのソフトウェアは様々な通信規格に対応しているため、マシンコントローラやPLCなどロボットや設備の制御プログラムと連携することが可能です。
例えば下の動画のように、機械をEmulate3Dで再現してシミュレーションを行うことができます。ほとんど同じような動きをしていることが見てわかると思います。
このように、Emulate3Dを使えば機械の制御を検証できるため、デジタルツインを実現できると言えます。
さいごに
今回は、製造業におけるデジタルツインの活用方法について書いていきましたが、医療やスポーツなどの様々な分野で今後も活躍する技術です。
シンガポールでは、 「バーチャル・シンガポール」 という都市全体を仮想空間で再現し、住みやすい国を目指すための検証をしていくプロジェクトも進行しているそうです。
デジタルツインの活用は、製造業の働き方を大きく変えます。仮想空間での検証で、コスト削減や時間短縮、人手不足の解消など様々な課題を解決することができます。製造業の皆さま、是非検討してみてはいかがでしょうか。
デジタルツインについてご相談やご質問等ございましたら、お気軽に下記のリンクからお問い合わせ下さい。