AR、VR、MR、XR、SR、DR…○○現実の意味と違いと活用をまとめて紹介

こんにちは、株式会社ITAGEの田辺です。

2021年10月に旧Facebook社がメタバース企業を標榜し社名を「Meta」に変更しました。

コロナ禍の影響により2021年が「真のVR元年」だとまことしやかにささやかれています。

未曽有のパンデミックやデジタル技術の革新により、現実の「拡張」や「代替」は今再び強い注目を浴びています。
それらはいわゆるAR、VRなどの〇R(○○現実)と強い関わりがあります。

そこで今回はそういった技術をまとめてみました。

〇R(○○現実)

先にお伝えしておくと〇RのRはReality(現実)の略です。
ですから和訳すると○○現実になります。

ARとVRの違いについてはこちらのブログでも紹介しています。

ARとVRの違いって??

AR

ARとはAugumented Realityの略です。「拡張現実」と訳されます。

その名の通り、視覚情報を拡張します。
カメラや眼鏡型のデバイス越しに見た光景にデジタル情報を付与します。

AR 拡張現実 例
メリット

人間が視覚だけで得られる情報には限界があります。
ということは視覚だけでは得られない情報を付与するのがARのメリットです。

例えばナビゲーションシステムです。端末越しに進むべき道が表示されます。
それでだけでなく見逃しがちな道路標識や死角の情報、目的地までの交通情報など視覚に付与されれば便利な情報が拡張されます。

VR

VRとはVirtual Realityの略です。仮想現実と訳されます。

現実に近しい環境をデジタル上に構築しその環境を五感を通し体感します。
相反する言葉の組み合わせに思いますが適当な表現です。

VR 仮想現実 例
メリット

現実でのあらゆる行為には費用やモラルなどにおける様々な制約が存在します。
また、物理法則など無視できない絶対的なルールも存在します。
VRはそれら障壁に捉われない環境を構築できます。

例えば、作業訓練です。
高所での作業や危険物の取り扱い、基幹設備の操作など実践のリスクが高い業務をVRで実施します。
VRではその全てが仮想の空間ですが、五感を刺激する為リアルな感覚を養えます。

余談ですが僕は以前某テーマパークでVRジェットコースターを体験したことがあります。VRの映像と音声に連動して動くシート、送風機からの風で仮想空間にジェットコースターを再現したものでした。個人的には充分に迫力がありました。

弊社取り扱いソフトでVR観覧車を作った記事もございます。

(VRで)高所恐怖症を克服したい

MR

MRとはMixed Realityの略です。複合現実と訳されます。

現実空間をもとにデジタル情報を配置する、またはその逆を実現します。
ARとVRの特性を複合したような技術です。
完全に仮想化されたVRとは対極に存在し、ARの発展とする場合もあります。

ARとの大きな違いは現実の情報を認識した上でデジタル情報を付与する点です。ARが現実を拡張し、MRは現実を融合させるという表現が適切でしょうか。
これにより現実空間と仮想空間でのインタラクティブ(双方向)なやりとりが可能になります。

メリット

再びナビゲーションの例を挙げます。MRを用いたナビゲーションであれば、自身とインタラクティブな動作を実現できます。
手の動きなどに連動し自車の情報やスピードの操作なども可能となります。

SR

SRはSubstitutional Realityの略です。代替現実と訳されます。

現実世界に過去の映像を織り交ぜ、過去の実際の出来事を体感できる技術です。
MRとよく似ていますが、AR・VR・MRの場合、利用者は仮想空間の情報を仮想だと認識しています。 対してSRは仮想と現実を織り交ぜることでどちらが真実であるか認識できない状態を作り出す技術です。

メリット

医療分野での活躍が期待されます。
例えばPTSD、重度のトラウマの治療や予防に期待されています。
災害などによる強い心的ストレスに対し当時の経験を追体験させ、徐々に耐性を付けていくことで克服できる可能性が期待されています。

DR

DRはDiminished Realityの略です。減損現実と訳されます。

AR(拡張現実)とは反対に実際に存在するものをリアルタイムで見えなくする技術です。
イヤホンのノイズキャンセリング機能が聴覚でなく視覚になったようなイメージです。

DR 減損現実 例
メリット

街中で煩わしく感じる広告や人の視線などをシャットアウトし、集中力向上の手助けや心理的ストレスの緩和などをもたらします。

XR

XRはExtended Reality、Cross Realityの略です。訳はありません。

各々の発展に伴い境界が曖昧になってきた各技術をまとめる言葉です。
現実世界と仮想世界を繋ぐ技術を総称する言葉であり、これ自体が何か新たな技術というわけではありません。

ですから今回のテーマ「○○現実」は「XR」であると言って差し支えないかと思います。

XR 説明

より高次的な概念

結局のところXRは現実では不可能な事象を仮想空間で可能にする技術です。
これらはあくまで技術の説明であり、それらを用いた利益を生み出す概念は様々別の言葉で表現されます。

メタバース

冒頭でも出ましたね。
現実世界とは異なる仮想の3次元空間とそこで提供されるサービスを指します。
要は仮想現実をもう一つの現実にすることです。この為空間をデジタル上に再現し五感で感じるVRとの相性が良いです。

なんだかSFじみていますが、現実より制約の少ない仮想空間ですから最終的には仮想現実≧現実に到達します。よくそんな映画ありますよね。
哲学の一種としてメジャーな「この世界は作られたものである」とする考え方(「シミュレーション仮説」や「水槽の脳」など)をデジタル技術で実現しようとする概念とも言えます。

ミラーワールド

現実世界を仮想空間に描写することを指します。 社会そのものの対となるデジタル空間の社会のことです。
メタバース以前に話題になった言葉です。

メタバースと殆ど同じことを言ってる気がしますが、メタバースが現実の代替だったのに対し、ミラーワールドはウェブやSNSなどと同じデジタル空間のプラットフォームに留まります。この為現実に仮想空間の情報を付与するARやMRと親和性が高いと言えます。

メタバース ミラーワールド 違い

デジタルトリプレット

現実世界と情報世界と知的活動世界を融合させたものです。
少し前にこぞって見かけた「デジタルツイン」の発展形です。
上述の2つとは異なり、製造業に対しての概念です。

デジタルツインでは前項同様に現実世界のものを仮想世界に再現します。
仮想世界に対し検証を行いその結果を現実世界にフィードバックしたり、現実世界でのアクシデントの課題究明、発生率の低下を促します。
仮想世界の構築の為にIoTや3Dモデル、XRが用いられます。

ここにノウハウなど人のみが持つ知財を加えたのがデジタルトリプレットです。
デジタルツインではデータを活用し生産能力の向上をはかります。デジタルトリプレットは現場の知識を加えることで、更に個々人の能力に依らない生産を実現していこうといった概念です。

デジタルトリプレット デジタルツイン 違い

製造業・物流業のXR

XRと製造業・物流業の相性と聞くとまだまだ未発達であったり、過剰な機能である印象を抱かれるのではないでしょうか。

ともするとそれは正しいと言えます。

ですが、より高次的な概念ではどうでしょうか。
いずれもよく聞くワードではないでしょうか。

それら技術が最終的にもたらすことは現実世界でのみでは不可能な効率化のブレイクスルーです。
技術発展に伴いXRの実用はかなり現実味を帯びています。

株式会社ITAGEではそういった様々ソリューションの提案を行っております。
ご興味・ご関心があればぜひ合わせてご覧ください。

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